Project Arbalest

設立趣旨書 (2005年7月)

 マンガ・アニメ・ゲームなどをはじめとするメディア産業は、日本が世界の最先端を行くものとなっていることは言を待ちません。これらが数十年にわたり産業としてめざましい発展を遂げる中、市民有志による創作表現活動である「同人活動」もそれに寄り添うように発展を続けてきました。そしていまや、「同人活動」は発祥であった漫画同人誌の枠を大きく飛び越え、あらゆるジャンルを題材に取り入れながら、あらゆる手法・メディアを用いた自由な表現が行われるようになった結果、民衆による文化の新しい一フィールドと呼ぶべきものへと成長しました。

 しかしながら、「同人活動」の文化としての発展とともに進行した急激な商業化と市場化、活動人口の増加や活動分野の広がりは、その支え手としての役割を企業に大きく依存する事態を招きました。文化の本来の担い手である作り手・受け手が同じ受益者の立場で手を取り合い、支えあうことは徐々に困難になってきています。

 私たちは1995年からの10年間にわたり、「同人誌即売会」イベント開催をはじめとした活動支援・交流促進事業、ライブイベントや上映会などの鑑賞事業、及びインターネットを利用した情報提供事業等のさまざまな活動を展開し、「同人活動」に関わる多くの人々を側面から支援してきました。そしてその過程において、「同人活動」を受益者の視点・非営利の立場から支えることの文化的重要性を確信するに至りました。私たちは、非営利の立場を堅持した責任と信用ある組織を確立し、さらに高い公益性を持った事業の安定した実現を目指して、この活動10周年を機に特定非営利活動法人の設立を決意するものです。

 私たちは、ここに特定非営利活動法人Project Arbalestを設立し、「同人文化」の担い手である作り手・受け手の双方、そして私たちと同じ支え手を広くつなぎ支援することを通して、多くの市民が自由に自己を表現し創作活動を楽しむことができる心豊かな文化的社会の実現を目指します。